星の雫~超極秘のお姫様~
なんでだろう・・・皆をすごく遠くに感じる――。


「1つ、訂正するね、レオ。」

ヒルゥが、真っ直ぐにレオを見つめて、どこか冷めた口調で言った。


「リーちゃんは僕のものにはならない。けど、レオのものにもならないよ。
リーちゃんは、誰のものにもならない。」


平坦な声で言った後、ヒルゥは何事も無かったかのように、にぱっとあたしに笑いかけた。


「リーちゃん!お店いっぱいでワクワクするねー♪」

さっきまでの声とは全く違う、楽しげな口調。
さっきの声は、空耳なのかと疑ってしまう。

でも、きっと、空耳なんかじゃない。

意味解んないけど。
全然、意味解んないけど。

ヒルゥ、辛そうだもん。苦しそうだもん。
口調には出てないけど、雰囲気から、あたし、分かるし。


――でも。

たぶん、聞いても、どういうことなのか教えてはくれないんだと思う。


そもそも、教えてくれるんなら、感情を隠す必要なんかない。



「・・・・・・・・・っ・・・」

やっぱり、遠い。
皆が、遠いよ。

なんでだろう?



「・・・リーちゃん?」


ヒルゥに顔を覗きこまれたあたしは、ハッとする。


「え、あ、んんっと、何!?」

『え、あ、んんっと』って、何だよ。
思わず心の中で自分にツッコんでいれば。


「・・・・・・あ~~~~!!!!!!」

突如、レオが叫びだした。
しかも、わしゃわしゃ髪をかきむしっている。

一体どうしたってんだ。
あたしは呆れつつも、忠告してやることにした。


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