星の雫~超極秘のお姫様~
「レオ、そんなことしてたら、禿げるよ。
髪の毛サマを大事にしなさい。」


「禿げてもいいっ!!!」


・・・な、なんだと!?
あたしの忠告に叫ぶように応じたレオの言葉に、あたしは目を見開く。

そして、ガシッとレオの方を掴んで、揺さぶった。


「なんてこと言うんだっ!レオ!!!
今からそんなこと言っててどうすんの!!!

いい?禿げてから後悔しても遅いんだよ?
分かってる?ねぇ、分かってる?

希望をつみとっちゃいけないんだよっ!!!!!!」


あたしがこんなにも熱弁するのには理由がある。

お城にいたある中年の執事さんが、いつも悲しそうにため息をついて言っていたのだ。

『あぁ・・・・・・俺に髪があれば・・・もう少し格好がつくのに・・・ハァ・・・。』


彼はハッキリ言って頭のてっぺん周辺の髪が、無かった。
そして、あたしは密かに彼のこと"河童"と、呼んでいた。

彼はいつも頭部を撫でては、深いため息をこぼしていた――

『神よ・・・・・俺が何をしたって言うんだ・・・』


ある時ふと呟かれたその言葉を廊下で耳にしたあたしは、涙腺を崩壊させた。

なんて可哀想なんだ!河童さんっ!!!
切なすぎるっ!!!!!!


―――そんな切実な河童さんの思いを・・・・・・無駄にしていいものかっ!!!

あたしはあの時、禿げる人を出来る限りなくすと、心に誓ったんだ!!!



「レオ!!!お願いだから希望を捨てないでっ!!!
河童さんの意志を受け継がなくちゃ!!!」


「いや、リア、河童さんって誰だよ。」


「マッシュさんだよ!マッシュルームが大好物のマッシュさんだよ!!!」


「知らねーよ!!!」


・・・・・・レオが、なんか、キレました。
なんでだろーね?



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