星の雫~超極秘のお姫様~
「ありがとうございます。

では、お教えしましょう。"魔法の言葉"は"レインボー"です。

はい!言ってみて下さい!せーのっ!」


レオの掛け声がかかり、あたしは慌てて口を開いた。

「「「「「レインボー!!!」」」」」


少しばらつきはしたけれど、大体声がハモった。

そして――


ぼんっ!と、言う音とともにレオの手が白い煙幕で隠される。

そして煙幕が薄れたとき一番初めに目を射たのは――虹色。


「・・・・・・わっ・・・」

レオの手に、鮮やかな虹色の、鳩ぐらいの鳥がちょんと乗っていたんだ。


「虹鳩(ニジバト)・・・絶滅危惧種の鳩がなぜ・・・・・・。」

隣にいたソウが、ぽつりと呟いたのが聞こえた。


虹鳩については、あたしも少しだけれど知っていた。

スエラ南部の国にあるジャングルの中にしか生息しない、鮮やかな虹色の羽毛をもっている鳩。


元々子孫繁栄率や生存率が少ないというのに・・・

血気盛んな南部の国―バーナの身勝手な男どもが、お金ほしさに虹鳩を狩りまくり、一気に絶滅危惧種になってしまったとか。


虹鳩の鮮やかで美しい羽毛は、かなりの価値がある。

だから、闇取引とかで高い値がつく。

それが悪くでちゃったんだよね・・・。


でも、そういえばなんでレオが絶滅危惧種の鳩、出せるの?


どうやら他の人もその疑問に行き着いたらしく、怪訝な目をレオに向ける。

けれどもレオは、そんな視線なんて気にせず、にかっと笑った。



「大丈夫ですよ!私は悪いことなどしていません。

ある方に、虹鳩の素晴らしさを伝えて、虹鳩を絶滅させたくないと思う人を増やせるならば譲ってもいい。

そう言われ、譲ってもらったのですよ。」



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