星の雫~超極秘のお姫様~
ある人・・・?

尚も首を傾げたあたし達を見たレオは、自らの唇に人差し指をあてた。


「残念ながら、誰に譲ってもらったかは言えないのです。

プライバシーの侵害になってしまうもので。すみません。」


あぁ成程ね。

頷くあたしの周りでは、何やらまだ眉をひそめている人もいた。


けれどレオはそんなのにはお構いなしに、明るい声を上げる。


「まだショーは終わってませんよ!
虹鳩からプレゼントあるらしいですからね。」


レオがそう言い終わるか言い終わらないかのうちに、虹鳩がふわっとレオの手から飛び立った。

鮮やかな虹色が、眩しい。


虹鳩は、パタパタとその鮮やかな羽を羽ばたかせ、あたし達の頭上を旋回し――



「・・・・・・わぁ!」

幼い男の子が、嬉しそうに声を上げた。


上――虹鳩から、小さな飴が降ってきた。

色とりどりの飴は、太陽の光を受けて、宝石のように輝いている。


降ってくる宝石のような艶やかな飴はどこか幻想的で、あたしは束の間、魅入ってしまった。


地面に落ちた飴を拾ってみれば、どうやら透明な袋に包まれていることが分かった。



「勿論害はありません。美味しいですよ!食べてみてください。

これは虹鳩からのささやかなプレゼントなのですから。」


レオが人懐っこい笑みを浮かべて言い、虹鳩がコクンと頭を上下させた。


さっき声を上げた男の子が、さっそく包んでいる袋を取り、黄色の飴を口に放り込み、笑った。


「あっ!レモンあじだぁ♪おいしいー。」




< 178 / 229 >

この作品をシェア

pagetop