星の雫~超極秘のお姫様~
理不尽な不満だということは、百も承知だ。

頭では分かっている。嫌って言うほどに。


けれど心は、そんな理屈とか常識とかを蹴っ飛ばし、ムカつくムカつくムカつく!そんなん嫌だ!と、喚いている。


あぁ、本当、どうしようもない。

諦めなくちゃいけない、というのも分かっているのに。



「ん?どしたのヒルゥ。なんか食べたいのあった?」


僕の視線に気付いたらしいリーちゃんが、僕に笑いかける。


・・・やめてほしい。

そんな、安心しきったような、まるで、まるで、家族のような、そんな笑顔はやめてほしい。



「・・・ヒルゥ?」


不意に、リーちゃんが寂しそうな顔をする。

切なそうな、苦しそうな。


その表情に、心臓がきゅっと何かに掴まれたような錯覚に陥った。


そんな顔・・・しないで。

そんな顔は、リーちゃんには合わない。全く、全然。



「何か、あった?」


心配そうに紡がれた質問に、僕は作り笑いを浮かべて明るく答える。


「えー、何にもないよ~。リーちゃんの傍にずっといるっていうのに、ある方がおかしいって!」


「あはは、そう、だよね・・・」



リーちゃんは、更に寂しそうな顔をして、無理に笑う。


やめて。そんな顔、しないで。
そんな顔、させたいわけじゃない。





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