星の雫~超極秘のお姫様~
ハァ・・・・・・・と、いつものごとく、諦めと苛立ちへのため息をついたところで、ふっとレオの言葉が蘇る。



『好きなら、本気で好きなら・・・絡みつく面倒臭いモン、全部、ぶち壊せよ。』


ぶち壊す・・・ね。

できないよ、そんなこと・・・・・・。


そんなことをするほど、僕は馬鹿でも阿呆でもない。
勇気も、ない。

僕は賢くって、臆病なただのガキだから。

ぶち壊すなんて大それた事、できそうにもない。


けど、だけど――




『そうじゃなきゃ、俺、もらうから。』


レオに渡したいとも思わない。


いや、レオに限らずとも、だ。

リーちゃんを誰かに渡すなんて、リーちゃんが誰かのモノになるなんて、考えるだけでイライラする。

嫌だ。
そんなの、嫌に決まってる。



あぁ、もう、本当、矛盾してるよなぁ・・・・・・。

それとも、我がままだとでもいうのかな?


絡みつく重い枷は、あの方からの命令と“掟”。

それをぶち壊して自分の想いのままに突っ走れるほど、僕は単純でも勇敢でもない。


それでも、想いを全て心の奥に秘めたまま、リーちゃんをただ見守れるほど、僕は大人じゃない。





「・・・・・・ヒルゥ?
またボーっとしてるけど、大丈夫?

まさか、この頭ヤバイおじさんの料理食べてお腹痛めたとかじゃないよね?」




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