どす黒い涙は世界を救わない
女は何でもスマホを使いググっていたがそこにある情報は全て正しいと勘違いしていた。
女は、僕より確か八歳程下の三十代後半だったはずだが僕には女の年齢など興味がなかった。
女が、肥っているから嫌いでは無くて知らない事もさも知ったように話したり自分自身を大きく見せようとするから嫌悪するのだ。
身体は充分大きいのにそれ以上何を大きく見せようとしてるのだろうと疑問に思う。
僕は、女に反論もせずに女の話しを聞くふりをしながら延々と呑んだが、女から強く匂う香水が、酔いを加速させた。
香水の名前を聞く気ににもなれなかった。
女はもしかすると、ちくのうとか鼻が悪いのだろうか?とさえ思えた。
しかし、嫌いな女にそんな事を聞いても仕方ないし、どうせ女は値段の事しか言わないのは分かっていたし、今日の僕ならトイレから消臭スプレーを持って来て、かけかねない為に黙っていた。
しばらくすると女の年下のやはり肥った彼氏が来たが何度見ても肥っているのにスリムのジーンズをはいて、仕草はまるでナルシストのミュージシャンのようだった。