Destiny
しばらくすると、早川先生から離れていった。


早川先生は眼鏡を外した。


キレイなはずのその顔がワイルドに見えたのは気のせいだろうか…


「ごめんね、突然…びっくりしたでしょ!?でも、工藤さんのことは俺にも関係あるんだ。だから、どうしても我慢できなくなって…」


そう言って、私の両肩をしっかりと掴んでしっかりと目を合わせさせられた。


「ここでこんなこと言うのは卑怯だと思う。でも、こうなった以上やむを得ない。医者ではなく、一人の男として言う。俺は工藤さんのことが好きだ。一生をかけて守っていきたいとすら思っている。だから工藤さんのことは俺に関係がある。好きな女を守れないで医者なんかやってられないからな…」


そう言って早川先生はふっと笑った。


その顔がいつもの可愛い笑顔と同じで少し安心した。


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