Destiny
「あの、ここって病院ですか?」


車椅子で移動している途中、車椅子を押しているであろうさっきの人に聞いてみた。


「はい、ここは市民病院ですよ。」


「じゃあ、あなたは看護師さんですか?」


「そうですよ。あっ、もうすぐ着きますよ。」


そう言われて前を見ると待合室のようなところに来ていた。


がらんとして誰もいない空間の真ん中にソファーがおいてあり、その両側に壁に沿うように引き戸がいくつか並んでいた。


その中のひとつ、7と書かれているプレートがあるドアの前で看護師さんは車椅子を止め、ドアをノックした。


「先生、お連れしました。」


「はい、どうぞ」


中から何となく聞いたことのあるような男の人の声が聞こえた。


それを合図に看護師さんはドアを開けた。

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