Destiny
パソコンとのにらめっこを終えると早川先生は私に向き直った。


…相変わらず難しい顔で。


「今日はもう遅いし、帰したらまた倒れる可能性もあるのでこのまま入院して下さい。」


「えっ、入院ですか?そんな…私受験生ですよ!?病院でのんびりしている暇なんてないんです!!」


「受験生だからこそ入院してもらいます。ずっと体調が悪いまま勉強してもはっきり言って無駄です。それだったら何日か勉強を休んで体調を完璧にしてから勉強した方が工藤さんのためです。」


「それはそうかもしれませんが、じゃあどこが悪いのかはっきり言って下さい!!」


「現時点では確定的なことは言えません。」


「それじゃあ私が入院する意味って…」


「安全管理と静養です。とりあえず今日は入院して下さい。明日以降のことはまた考えますので。」


さすがにそう言われると引くしかなかった。


「わかりました。でも、なるだけ早く退院させて下さい。」


「できるだけな。」


そう言って早川先生は白衣のポケットに入っていたケータイで誰かに電話し始めた。

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