Destiny
「また、神経伝導検査では反応があまりよくありませんでした。これは神経が損傷するなどして、正常の状態ではないことを示しています。」


早川先生から呈示された結果を見ても私にはそれが何かわからなかった。


「さらに、血液検査では炎症反応を示すCPKという物質が高くなっています。これが高くなるということは体のどこかで炎症が起きているということです。」


早川先生に呈示された血液検査の結果を見ると、他の項目に比べて桁違いに高くなっていた。


「以上の所見から工藤さんはとある神経難病の可能性が非常に高いと考えられます。ただ、この病気は診断が難しい病気で、この後の経過次第ではこの病気でないかもしれません。ですから、今は詳しい病名は控えさせて頂きます。」


早川先生が言っていることは全くもって意味不明だった。


頭が真っ白になって、何も考えられなくなっていた。


そもそも、私が病気だと言われたことが信じられない。


私はしばらく固まってしまった。

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