Destiny
「………ぐすっ」


「落ち着いた?」


「はい、何とか…」


「ごめんな、急にあんなこと言って…」


「いえ、本当のことですから…」


「これからの話なんだけど…」


「すみません、今はまだ何も考えられなくて…」


「うん、大丈夫。とりあえず一晩考えてみて。」



「はい、ありがとうございます。」


「じゃあ、戻ろうか…」


「はい…」


そう言って早川先生は来た時みたいに車椅子を押して部屋に戻ってくれた。


部屋に戻ると何も言わずに私に布団を掛けるとすぐに部屋を出ていった。


その無言の優しさが私の心に染みてまた少し泣いてしまった。


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