Destiny
「それで、これからのことなんだけど、とある治療をしてみたいと思う。この治療が工藤さんに合うかはわからない。」


「どういうことですか?」


「うん、工藤さんのなっている可能性の高い病気は個人差が激しい病気だ。一応の治療法はあるが、同じ治療でも劇的に効く人と全く効かない人がいる。それはやってみないとわからないんだ…」


「そんな…でも、効く治療がわかれば治るんですよね!?」


早川先生は黙って俯いてから顔を上げて言いにくそうに言った。


「現在の医療では完治は不可能です。」


その瞬間、私は地獄のどん底に落とされた。


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