Destiny
一番最初に飛び込んできたのは心配そうな早川先生の顔だった。


美しく整った顔が間近に迫っていてちょっとびっくりした。


「良かった。病棟から連絡が来て、心配していたんだ。さあ、戻ろう。」


そう言われて立つように促されるが、私は動かなかった。


そして、私の口から出た言葉は自分自身、意外なものだった。


「嫌、まだ戻りたくない。」


< 91 / 167 >

この作品をシェア

pagetop