ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
未来は、青乃臣の説明を理解した。
「……私とエルクは、前世で同じ魂の持ち主だ った。
男に生まれて、お好み焼き屋をやってたんだね 。
実感湧かないし、夢みたいな話だし、アンタ達 が来た直後にそんな話されてたら疑ってたかも しれないけど、今は信じるよ」
夢に見たお好み焼き屋の少年。
未来の体のすみずみに、彼の記憶のカケラが色 濃く残っていた。
青乃臣は安心したように表情をゆるませ、
「ソウルメイト同士は、物理的に接近すると前 世の姿を夢に見ると言われています。
エルク様と未来様には、その現象が起きたので す」
「仕組みは分かる。
じゃあ、どうして、前世の夢を見る必要がある の?」
未来は疑問を口にし、紅茶をひとくち飲んだ。
「核心を突く、素晴らしい質問ですね。
《ソウルメイト》は、互いを支え合う、強い絆 を持っています。
今後お二人の間に起こることは、決して無駄な ことではなく、互いを成長させる刺激となりま す。
たとえば、今回見た夢で言いますと、前世の夢 は、現世の自分へのメッセージだと解釈できま す」