ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

青乃臣の言葉に、二人はのどを鳴らした。

のどの渇きを覚えた青乃臣はいったん立ち上が ると自分のマグカップに紅茶を注ぎ、席に戻っ た。

「私達には、前世のことを知る術がありません 。

なぜなら、前世を知った上で現世の行いを変え るのはルール違反だからです。

前世の記憶に頼らず、自分自身で間違いに気付 くべきだ、と、創造主は考えているのでしょう 。

ルールというのは、世界の創造主が設定したも のに他なりませんが……。

とにかく、ルール違反はルール違反なのでしょ う。


人は誰しも不完全で未熟なもの。

間違いをおかしますし、時には傷つき、怒り、 失望し、自分を見失います。

喜びを見出だせないと、この世の不条理や自分 の不幸をなげくのです。

これは私の勝手な想像ですが、

『それで幸せをあきらめるな。自分の力を信じ て突き進め』

世界の創造主は、そういった心持ちで私達人間 を見守っているのでしょうね」
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