ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

その日の午後。

未来の通う中学では、ゴールデンウイーク明け に開かれる体育祭の練習が行われていた。

グラウンドで様々な競技に熱を上げる同級生達 。

数日前から、見慣れた光景になっている。


ソウルメイトの話を聞いてから、未来はどこか 夢心地だった。

プライドが高く、周囲に弱みを見せず、常にウ ソをつき意地を張ってきた彼女も、自分の前世 を知り、今後、何かが変わる予感を肌で感じて いた。

“まさか、前世の私がお好み焼き少年だなんて なぁ。

しかも、エルクのソウルメイトだなんて、ウソ みたい。

アイツと私は、前世で同じ魂を共有してたんだ ……”

今まで、自分の周りに、自分以上に優秀な生徒 はいなかった。

それゆえ、未来はひとり孤独を感じていたけれ ど、ソウルメイトの話を聞いてそれは解消され た。

“不思議な出会いだけど。

エルクはたしかに、宇宙のどこかにある別の惑 星に生まれて、ここにやってきた。

私のソウルメイトとして”

青乃臣の魔術で日本に来たエルク。

“この世界には魔術を使える人なんていない。

正直いまも、ピンとこない。

青乃臣が魔術使ってるところを見たわけじゃな いし……。

でも、この宇宙には、地球(ここ)とは違う惑 星があって、未知の日常が広がってるんだ…… !”
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