ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

調査のため歩き回っていた青乃臣の足は、最後 、未来の通う私立中学の方へ向いた。

今日は、魔術ではなく自分の足で歩いて調査し ている。


文教地区にそびえる豪奢(ごうしゃ)な建物。

氷のかたまりを地面に突き刺したかのように長 細い、白を基調とした校舎。

夏の蒼空を切り取ったかのようにみずみずしい スカイブルーのタイルが、びっしり埋めつくさ れた敷地。

それらを飾りつけるように植えられた、花壇の 青いバラ。


青乃臣は目をみはり、しみじみつぶやいた。

「驚きました。

アムド城の外観と、非常によく似ていますね」

先日、未来の日常をのぞきに来た時は、魔術で 校内にワープしたため、外観を見ていなかった 。

“こんなことって、あるのですね”

しばらく校舎を見上げていると、遠くからにぎ やかな声が聞こえてきた。

“何か、イベントでもやっているようですね”

白い外壁に沿って、青乃臣は校舎裏に回った。

青いフェンス越しに、体育祭の練習に励む生徒 たちの姿が見える。
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