ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

未来の通う中学校にも、夜が近づいている。

体育祭の練習は放課後まで続き、部活をしてい る生徒も部活は休み。

練習には、全校生徒が必ず参加しなければなら なかった。

その点、帰宅部の未来には何の問題もなかった が、さきほど変な事が起きたせいで、彼女は練 習に集中できなかった。


あと少しで練習が終わるという、夕方。

突然、生徒たちを包むようにまばゆい光が現れ たと思ったら、直後、未来の全身がエメラルド グリーンに輝いたのである。

ごまかしのきかない状況に、未来をはじめ、ク ラスメート達は戸惑った。

異常気象のせいだ、と、教師は無理のある説明 で生徒たちを説得しようとしていたが、そんな ものを信じるのは、ごくわずかな生徒だけだっ た。

大半の生徒は、何か変なことが起きたと感じて いる。


もっとも驚いていたのは、未来だった。

皆の反応に困りつつ笑顔で対応していたが、

“エルクか青乃臣が、何かやったの……!?”

心当たりがあり過ぎる。

早く帰宅したい。

未来はそればかり考えていた。
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