ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
体育祭の練習が終わると、未来は急いで着替え た。
声をかけてくる友人達を適当にかわし、校門を 飛び出す。
もう、空は暗かった。
ぶるりと肌寒さを感じていると、
「おつかれさまです、未来様」
門前に、青乃臣の姿があった。
「青乃臣…!」
未来はすがるように彼を見つめる。
青乃臣は、未来の気持ちを察し、
「詳しいお話は、歩きながらでかまいませんか ?」
「うん。なるべく、みんなには聞かれたくない し」
未来は背後を振り返りつつ青乃臣の横を歩く。
彼女の肩に、上着がかけられた。
「風が冷たくなってきましたね。
どうかお使いください」
背中にかかる青乃臣の上着は、あたたかい。
慣れないことをされ、未来は頬を真っ赤に染め た。
「ちょ…! 変なことしないでよっ。
アンタはエルクの執事でしょっ?
私のことは放っておいてっ!」
「そういうわけにはいきませんよ。
今の私は、未来様の執事でもあります。
何より、未来様が体調を崩し寝込むようなこと になれば、エルク様が寂しがりますから」
青乃臣は涼やかな瞳で、
「私にできることなら、何でもやらせていただ きますよ」