ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
「執事って、めんどくさい職業なんだね」
照れ隠しに、未来はズンズン前に歩いていく。
頬の熱が冷めると、彼女は青乃臣を振り返り、 尋ねた。
「さっき、私の体が光ったんだけど。
アンタがやったんでしょ?
どこかでその様子を見てたんじゃない?
違う?」
「ええ。その通りです。
ラークリマ探しに必要なことでした」
未来は腰に両手をやり、
「で、成果はあったの?
勝手に人の体光らせておいて、何もなかったな んて言ったら承知しないよ」
青乃臣はクスクス笑い、
「おかげさまで、成果はありました。
ありがとうございます。
……少し、寄り道をしてもよろしいですか?
未来様に見ていただきたいものがあります」
「わかった……」
「では、少々、失礼します」
青乃臣は未来の右手を取る。
「ちょっと……! 何す……!!」
未来のセリフが終わらないうちに、青乃臣は瞬 間移動の魔術を使った。
水色の眩しい光が二人を包む。