ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
青乃臣は、地球に来る前に調べたラークリマの ことを話した。
「エルク様を何とかしなくてはならないのはも ちろんですが、今お話した通り、ラークリマは 人の持つ純粋な魂が生み出したもの……。
ラークリマは、地球で言うところの《エメラル ド》という宝石によく似ています。
そう言うと、いかにも鉱山で取れる物のように 思えますが、違うのです」
未来はまじまじと青乃臣を見つめ、
「もしかして…!
さっき学校で、私の体が緑色に光ったのは…… !」
「お察しの通り。未来様が、ラークリマを持っ てみえるのです。
未来様の許可なく勝手なことをして申し訳なく 思いましたが、焦っていたのも本当です。
呪文をとなえ、ラークリマのありかを突き止め ました。
未来様は、心の中に、ラークリマの芽を持って みえるのです。
普通の人は、そのことを感知できません」
「だったら、何とかして取り出せないの?」
そう言いつつ、未来はイマイチ実感が持てなか った。
自分の中にラークリマが存在すると言われても 、体に変化を感じられない。
異物感もない。
青乃臣の呪文によって自分の体が光る前と比べ ても、何ら変わりなし。
体調不良なども起こしていない。