ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

「っははは。未来様らしいですね」

本気とも冗談ともつかない口調で、青乃臣は微 笑み、言葉を継いだ。

「ご安心ください。

私は一般平均よりも我慢強い性格といいますか ……。

エルク様の専属執事なのですよ?

これまでも、様々な危機に直面してきましたが 、たいていのことはどうにかなりました」

「最初会った時は、超が100個付くくらい真 面目なヤツだと思ってたけど、根はそうでもな いんだね」

ようやく未来は、明るい表情を取り戻す。

「ええ。アムド城にいた頃、他の者にもよくそ う言われていました。

『真面目に見えて楽観主義だ』と、ね。


実際いまも、未来様とお話していたら、どうに かなるような気がしてきました。

不思議ですね」

「いちばん不思議なのはアンタだよ」

未来は笑いを含んだ声で、

「ま、こういう話を面白く思ってる自分も、不 思議なんだけどね」


ラークリマは、今すぐ入手できない。

ということは、青乃臣やエルクは、当分国に帰 れないということ。

未来はそれを、喜んでいた。

“最初は、早く出てけって思ってたけど、異世 界人との暮らしは楽しいかもしんない”
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