ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
窓ガラスに映った映像を瞬間で消し、青 乃臣は部屋の扉を開け、廊下に出るよう 未来をうながした。
「未来様、体育祭の練習でお疲れでしょ う。
甘い物など、いかがですか?」
質問されるのと同時に、未来の腹は盛大 な音を立てた。
顔を真っ赤にし、そっぽを向くと、彼女 はごまかすように強い口調で、
「もう、夕食の時間じゃん。
間食したら、太るっ!」
「今日は、バナナのショートケーキを作 らせていただきました」
未来の耳がピクリと反応する。
バナナのショートケーキは、彼女の大好 物ランキング第2位にランクインしてい た。
青乃臣は小悪魔的微笑を浮かべ、
「生クリームは、低脂肪、低カロリーの ものを使用しております。
女性に体型の話をするのは失礼だと承知 で申し上げますが、未来様は、少々痩せ 過ぎではないかと。
これまで、一日一食しか食べていなかっ たのですから、当然です。
成長期なのに、それは深刻なことですよ 」
「そっ、そうかな……?」
未来は、制服のスカートからのぞく自分 の両足をまじまじと見つめる。