ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

二人が休憩モードに突入した時、初老男 性がゆったりした足取りで二人のそばに やってきた。

寝そべるエルクと、そばで本を読みはじ めた青乃臣を見て、彼は言った。

「あんたら、さっきからこんなとこで何 しとるんじゃ。

具合が悪いなら、ウチに来るか?」

「いえ、あなたのお手をわずらわせるわ けには……」

本を閉じ、青乃臣は低姿勢で断る。

一方エルクは、上半身を起こして初老男 性の話に食いついた。

「ホントか?

俺様は、寝る場所と住む場所がなくて、 困ってんだよ。

ついでに金もないし、腹も減った!」

「エルク様っ!」

青乃臣はひかえめに止めたが、遅かっ た。

男性は朗らかに笑い、

「はっはっは。元気の良い少年だのぅ。

ウチは一人暮らしだからな、何日居ても かまわんぞ。

とりあえずは、飯でもごちそうしよう」

「やったね!

ありがと、じいさん!

助かったわ!」

エルクは嬉しそうに男性の両手を振り回 す。

「エルク様、そのようなことは……!」

止める青乃臣の声は、空気と化した。
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