ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
青乃臣の指摘を丸っきり無視し、エルクはスッ キリした顔で数回うなずいた。
「まあ、そう言われたらなんか納得できて気が 楽になった!
お前と未来が話してると、どうしようもなく嫌 になるし。
……って、おい!!
今、とんでもなく重要なことをさりげなく言わ なかったか?」
エルクは両手で青乃臣の胸倉をつかんで激しく ゆすった。
「お前、いつ、未来のこと好きになったんだよ っ!
まだ、この屋敷に来て一週間も経ってねぇだろ !?
いつの間にそんなことになってんだっ」
「エルク様っ、落ち着いて下さい……!」
されるがまま、青乃臣は抵抗しなかった。
しばらくすると、エルクは執事揺らしをストッ プした。
青乃臣は乱れた服を片手で素早く整え、
「出会った時期は関係ありませんよ。
私も自分に驚きを隠せませんが、気が強く時々 弱さを見せる未来様をお守りしたい、と、心底 想いました。
彼女を見ていると、おのずと庇護(ひご)欲が 湧きますしね」
「お前には、未来みたいにワガママで意地悪な 女は似合わねぇ!
もっと別の、優しそうな女を探せっ!」
焦りのあまり、エルクは考えるより先に口を動 かしていた。