ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

「エルク様、未来様はとてもお優しい方ですよ 。

日本にはトマトジュースを毛嫌いする方が多い そうですが、そんな中、彼女はそれを美味しく いただいていましたし、ご自分が疲れているに も関わらず夕食作りのお手伝いをして下さいま した」

「ああ、もう!

俺様だってその場にいたし、んなこと、いちい ち言われなくても知っとるわ!」

エルクはヤキモチまかせにまくし立てた。

「お前は、俺様の専属執事だろ?

未来なんかにウツツを抜かしてねぇで、ラーク リマ探しに専念しろ!

恋愛なんか二の次だと思え!」

「ふふふ。必死になるお気持ちはよく分かりま すが、どうかご安心ください。

私はエルク様の恋路を邪魔するつもりは毛頭ご ざいません。

ただ、心の中で彼女を想うのみ。

それだけはお許し下さい。

エルク様と未来様の関係を見守る側に徹します 」

「ならいいけど、今のセリフ、今後ぜったいに 、忘れるなよ!?」

不安のあまり、エルクは強く念を押す。

「もちろんです。

そもそも、未来様は私のことなど眼中にないと 思いますよ。

私はこれからも変わらず、エルク様に尽くす所 存です」

スッと立ち上がり、青乃臣はエルクに一礼する 。
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