ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
「うるせぇ!」
エルクは人差し指をピンと伸ばし、青乃臣の顔 面ギリギリのところで止めた。
「……とにかくだ!
俺様はこっちにきてヴァンパイアになった。
それには意味があるはずなんだ。
きっと、ヴァンパイアの血は未来を守るための 力になる。違いねぇ!」
「残念ながら、ヴァンパイアには戦闘能力はな いのです。
ファンタジー小説の中であれば、そのように設 定されたヴァンパイアも存在するかもしれませ んが、現実世界にはありえません。
それに、エルク様は臨時のヴァンパイア。
ラークリマを入手し、クロロプラスト王国に帰 還すれば、私の作る魔術ドリンクで本来の体質 に戻れます。
いえ、寿命を縮めないために『元の体質に戻ら なければならない』のです。
万が一の場合、臨時ヴァンパイアが戦える方法 ……。
あるにはありますが、あまりオススメできませ ん」
「未来のためになるなら、何だっていい!
戦える方法があるなら、教えてくれよ!
俺様は最強のヴァンパイアになりたいんだ!」