ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

未来の通う中学は男女共学で、裕福な家 庭の子供が多く通う学校だと言われてい る。

未来も、そういった生徒の一人だった。


彼女の学校嫌いは、今さら始まったこと ではない。

誰かに意地悪をされているわけでもな い。

勉強と運動もできる。

むしろ、クラスの中でも一目置かれた存 在だ、と、彼女は自負していた。

何かあるたび、みんなが自分をほめてく る。


両親の仕事の都合で、長年一人暮らしを してきた未来にとって、昔は、そんな周 りからの評価が嬉しかった。

めったに会えない両親の代わりに、みん なが自分をかまってくれていると思えた から。

そのはずなのに、いつの間にか、刺激の ない毎日は、彼女にとって退屈なものに なっていった。

ほめられて当然。

誰もが自分を認めてくれて当たり前。

あくびが出そうな日々の中で、未来はど んどん、うぬぼれ屋になっていった。
< 17 / 308 >

この作品をシェア

pagetop