ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

エルクは地面に書かれた《春夏秋冬》を興味深 く見つめ、

「ホントお前は、何に関しても詳しいな。

この短期間のうちに、よくそんなに日本の事調 べられたもんだ。感心するぜ」

「……それも執事の仕事ですから。

エルク様が万全の働きをできますよう、必要な 情報を仕入れるのが私の役目です」

青乃臣の穏やかな表情に、やや疲労の色が浮か んでいたが、柿のことばかり考えていたエルク はそれに気がつかなかった。

「頼りになるな、お前は」

満足げに青乃臣をほめ、

「じゃあ、『何日後に秋がやってくるか』は、 分かるか?

秋になれば、柿が収穫できるんだろ?」

「はい、その通りです。

収穫する場所がなければ、店頭で購入すること も可能ですよ。

秋は5ヶ月後に訪れます。

日本のカレンダーを基準に計算すると、約15 0日後のことになりますね」

「ひゃっ、ひゃくごじゅうにち、だって!?」

思っていたより長い日数を告げられ、エルクは めまいを覚えた。

秋は遠い……。
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