ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
「そんなに悲観する必要はありませんよ」
エルクをなぐさめるように、青乃臣は柔らかく 言葉を継いだ。
「日本の季節は、どれも素敵です。
3ヶ月ごとに移り変わる四季。
秋が来る前には、まず、夏が訪れます。
夏には、未来様と楽しい時を過ごせる要素がた くさんありますよ。
それに、もうすぐゴールデンウイークと呼ばれ る大型連休があり、未来様は家に居ることがで きます。
何かをしてあげることだけが愛情表現ではあり ません。
共に楽しい思い出を作り上げることも、未来様 にとって栄養になりうることではないでしょう か」
「そっか……。柿にこだわる必要はないんだな 。
未来と一緒に、楽しい思い出を……」
普段、未来は学校に行くので家には居ない。
だが、ゴールデンウイークは違う。
普段とは違う体験ができるかもしれない。
エルクは胸を弾ませた。