ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
「ん、待てよ……?」
ハッとし、エルクは青乃臣を見つめた。
「俺様は『また』! お前にアドバイスされて るじゃんっ!
これじゃあダメなんだよっ。
情けねぇ……!」
「申し訳ありません、出過ぎたマネをしてしま いました。
エルク様の世話を焼くのが、私の習性となって いるようです」
エルクは首をかしげ、
「んー。それはそうだよな。
俺様も、何かと言えばお前の意見を聞くのがク セになっちゃってるし。気をつけよ」
「私も気をつけます。
今後、エルク様の言動に口出しせずにいられる 自信はありませんが」
「俺様は、もう立派な次期国王だ。
恋愛感情に振り回されて破滅するような小さい ヤツじゃねぇ」
「未遂に終わったとはいえ、柿泥棒は次期国王 のすることではありませんよ。
日本では罪に罰せられてしまいますし」
「むう! これからなるんだよ、『立派な国王 』に」
「おおいに期待していますよ」