ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
「青乃臣、どこー?
……中かなー?」
屋敷の中に足を踏み入れ、玄関で靴を脱ぐと、 未来は違和感を覚えた。
いつも漂っている甘い匂いが、今はしない。
青乃臣がおやつを作ると、その匂いはダイニン グから玄関まで漂ってくる。
「今日は、無臭のおやつかな」
つぶやき、未来は自室に向かった。
制服から私服に着替え、ダイニングに入る。
「青乃臣、いないの?」
ここに来れば、何となく青乃臣に会えるような 気がしていたのに、ダイニングは静かだ。