ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

「青乃臣、どこー?

……中かなー?」

屋敷の中に足を踏み入れ、玄関で靴を脱ぐと、 未来は違和感を覚えた。

いつも漂っている甘い匂いが、今はしない。

青乃臣がおやつを作ると、その匂いはダイニン グから玄関まで漂ってくる。

「今日は、無臭のおやつかな」

つぶやき、未来は自室に向かった。

制服から私服に着替え、ダイニングに入る。

「青乃臣、いないの?」

ここに来れば、何となく青乃臣に会えるような 気がしていたのに、ダイニングは静かだ。
< 180 / 308 >

この作品をシェア

pagetop