ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
「買い出しにでも行ってるのかなー?」
家事担当が板についた青乃臣を思い出し、未来 は冷蔵庫を開けてみた。
おやつが作り置きしてあるかもしれない。
けれど、当分の食材があるだけで、おやつらし き物は何も入っていなかった。
ダイニングテーブルの上もすっきり整えられて おり、それらしい物は置かれていない。
「青乃臣、どうしたんだろ?」
エルクに尋ねてみようと思ったが、彼は自室で 爆睡中だ。
「現実はこれだもんなぁ。
ヴァンパイアって、小説の中にいてくれた方が 頼りになりそう」
あきれ気味に言いつつ、未来は屋敷内を歩いて 回った。
明日からゴールデンウイーク。
待ち望んだ、自由時間。
誰にも邪魔されないし気を遣わずに済む大型連休。
なのに、青乃臣やエルクの姿が見えないという だけで、未来は物寂しい気持ちになった。