ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
上ばかり見ていて、未来は足元にまで注意を払 っていなかった。
「わっ……!」
何かにつまづき、転びそうになる。
書庫の床には物を置いていないはずなのに、な ぜ。
転ばないよう体勢を整え、未来は足元を見る。
「ひっ……!」
小さく悲鳴を漏らすと、未来は勢いよく後ずさ った。
床に、青乃臣が横向きで倒れている。
「青乃臣! ちょっと……!?」
青乃臣のそばにしゃがみ込み、未来は彼の肩を 片手で軽く揺すった。
「こんなとこで何してんの?
昼寝なら部屋でしなよ!」
青乃臣は、何らかの理由で倒れたのだ。
それは分かっていたが、嫌な予感に胸を染めら れ、そうやって声をかけることでしか、未来は 冷静さを保てなかった。