ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

上ばかり見ていて、未来は足元にまで注意を払 っていなかった。

「わっ……!」

何かにつまづき、転びそうになる。

書庫の床には物を置いていないはずなのに、な ぜ。

転ばないよう体勢を整え、未来は足元を見る。

「ひっ……!」

小さく悲鳴を漏らすと、未来は勢いよく後ずさ った。

床に、青乃臣が横向きで倒れている。

「青乃臣! ちょっと……!?」

青乃臣のそばにしゃがみ込み、未来は彼の肩を 片手で軽く揺すった。

「こんなとこで何してんの?

昼寝なら部屋でしなよ!」

青乃臣は、何らかの理由で倒れたのだ。

それは分かっていたが、嫌な予感に胸を染めら れ、そうやって声をかけることでしか、未来は 冷静さを保てなかった。
< 183 / 308 >

この作品をシェア

pagetop