ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
「どうしよう、どうしよう……」
未来はうろたえ、青乃臣を揺さぶった。
「起きなよ。主人が帰ってきたんだよっ?」
瞳を閉じたまま、青乃臣はピクリとも反応しな い。
むしろ、彼の顔色は悪い。
体調不良で気を失ったのだろうか。
未来は後ろ髪を引かれる思いで書庫を抜け出し 、ケータイで祖父・稔の書店に電話をした。
暇だったのか、稔はすぐさま電話に出た。
『はい、包里書店です』
「おじいちゃん、私! 未来だけど!」
『おお、珍しいのぉ、未来から電話してくれる なんて』
孫からの連絡を喜ぶ稔の祖父的表情が、電話越 しにも伝わってくる。
未来は、現状に対する焦りで照れを隠し、興奮 気味に告げた。
「そんなに喜んでる場合じゃないよ。
青乃臣が倒れたの!」
『なんじゃと!?』
稔にも事の深刻さが伝わったようだ。