ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
「あいつら、そんなこと気にしてたんだ……」
未来はひとつの感覚に包まれた。
喜びで、体が宙に浮くような感じ。
「羽が生えたような」と、表現してもいい。
最初、彼らを遠ざけていたのがウソだったかの ように、未来は青乃臣とエルクに好感を抱き始 めていた。
“あの二人は「他人」なのに、学校のように無 理しなくていいし、楽な関係でいられる。
ううん。楽と言うより、むしろ「楽しい」”
青乃臣が倒れてあわてふためいた事からも、未 来の心境の変化は明らかだと言える。
以前に比べ、彼女の顔つきは柔らかくなってい た。
そんな孫娘を見て稔は、
「やっぱり、ワシの予感は当たっておったのぅ 。
エルクさん達をここに住まわせて正解じゃった 」
と、満足げに言った。
「エルクさん達を見とると、不思議な縁を感じ るわぃ。
初めて会った気がせんというか……」
「気のせいだよ、おじいちゃん」
未来は、稔にソウルメイトの話をしなかった。
【6 ハプニング……終】