ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

「書庫で倒れてたの」

未来は、ひととおりのことを説明した。

稔が付け足すように、

「エルクさんと青乃臣さんがこっちに来て、も うすぐ1ヶ月。

疲れが溜まっとったんかもしれんのぅ」

「ジョーが、疲れを?」

エルクは動揺した。

「アムド城にいた頃、アイツは一度も倒れたこ となんてなかったのに、何でだ……?」

青乃臣が働き者であることは、以前と変わらな い。

自然オーラの影響を受ける魔術師なら、睡眠不 足も、普通の人間ほどつらくはないと言われて いる。

エルクはハッとし、

「まさか! 日本とアムドシア郷では、自然オ ーラの種類が違うのかも……!

日本の自然オーラは、青乃臣の体質に適応して ないのかもしれねぇ!」

エルクは勢いよくダイニングを抜け出し、青乃臣の部屋に向かった。

未来と稔も、後に続く。
< 192 / 308 >

この作品をシェア

pagetop