ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
「書庫で倒れてたの」
未来は、ひととおりのことを説明した。
稔が付け足すように、
「エルクさんと青乃臣さんがこっちに来て、も うすぐ1ヶ月。
疲れが溜まっとったんかもしれんのぅ」
「ジョーが、疲れを?」
エルクは動揺した。
「アムド城にいた頃、アイツは一度も倒れたこ となんてなかったのに、何でだ……?」
青乃臣が働き者であることは、以前と変わらな い。
自然オーラの影響を受ける魔術師なら、睡眠不 足も、普通の人間ほどつらくはないと言われて いる。
エルクはハッとし、
「まさか! 日本とアムドシア郷では、自然オ ーラの種類が違うのかも……!
日本の自然オーラは、青乃臣の体質に適応して ないのかもしれねぇ!」
エルクは勢いよくダイニングを抜け出し、青乃臣の部屋に向かった。
未来と稔も、後に続く。