ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
こちらに来てから、エルクの生活は変わった。
体力に変化が起きるのも仕方ないのかもしれな い。
と思いつつ、以前のように振る舞えない自分に 、エルクはもどかしさを感じていた。
「傘さすのって慣れねぇけど、なんか楽しかっ た!」
エルクはイタズラっコのような顔。
自慢げにそう言うことで、考え事をごまかした 。
「たく、仕方ないなぁ。
ちょっと待ってて」
あきれ気味に微笑を浮かべた未来は、乾燥機の 中から乾いたバスタオルを持ってきて、エルク に投げ渡した。
「おっ!? もう乾いたのか?」
エルクは頭巾をかぶるように頭からバスタオル を羽織った。
「そ。買い物行ってる間に乾燥機にかけといた から」
エルクは頬を緩ませ、鼻をすんすんさせる。
「なんか、いい匂いがするし柔らかいな。
いつものタオルとはなんか違う」
「仕上げにアロマっぽい柔軟剤入れたから。
多分、ジョーは使ってないよ」
リビングに移動しつつ、二人がそんな会話をし ていると、ウワサの従順執事が姿を現した。