ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

「悪いって、ジョー……」

エルクは苦笑いを浮かべ、青乃臣に平謝りして いた。

青乃臣の目の前。空になった皿には、数分前ま でミートソースのパスタが入っていた。


今晩、未来とエルクは協力してパスタを作るこ とにしたのだ。

二人とも、料理はまったくの初心者で、料理本 を見てもいまいち理解できなかった。

そこで、未来が以前、家庭科の調理実習で作っ たことのあるミートソースを作ることにしたの だが……。

隠し味にほんの少し入れれば良いおろしニンニ ク。

それを、エルクの采配(さいはい)で、3個分 も入れたのである。

味は美味しく、食べている最中は問題なかった が、それは後に、青乃臣を苦しめることとなっ た……!

吐く息が、とてつもなく臭い…!

その匂いが数日間に渡り続くことになる とは、この時誰も思わなかっただろう。
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