ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

「ソウルメイト探索魔術のことは、国に帰って からじっくり話を聞かせてもらうぞ」

カンタスターレは複雑な顔つきで言った。

「地球への空間転移。

クロロプラストの者に察知されないためのシー ルド。

この屋敷に張り巡らせてある魔術防御陣。

ラークリマ探索にかけた労力や呪文。

ただえさえ、この地の自然オーラは私達スアン の人間には合わない。

そんな土地にも関わらず、お前は魔術を使い過 ぎた。

体はもう、限界なのではないか?

エルクに対し、忠実でいてくれるのはありがた い。

だが、このままではお前の寿命が短くなると危 ぶまれる。

賢いお前なら、そんなことはとっくに理解して いただろうに、なぜ、そこまでしてエルクに尽 くすのだ」

「それが、代々ラファイエ家に生まれた者のし きたりだからです。

私、青乃臣=ラファイエも、先代と同じく、そ れに従うのみ……。

エルク様を立派な国王にするためなら、この命 を犠牲にすることなど厭(いと)いません」
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