ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

夜、夕食を終え入浴を済ませた未来は、珍しく リビングに立ち寄った。いつもなら浴室を出て 自室に直行する彼女。

今日に限ってリビングに寄ったのは、普段ない 話し声がリビングから聞こえてきたからである 。

青乃臣とエルクが、帰還後のことについて話し 合っているのだとは夢にも思わず、未来は、洗 い立ての髪をタオルで拭きながらリビングの扉 を開けた。

「青乃臣がいるのは分かるけど、エルクがこの 時間にここにいるなんて珍しいね!」

エルクは反射的にソファーから立ち上がり、

「おう! まあ、そんな時もあるかな!

未来こそ、風呂の後はすぐ部屋に行っちゃうク セに、珍しいな!」

と、ぎこちない口調でこたえた。帰還のことを 悟られないため、エルクなりに必死に演技した 。
< 270 / 308 >

この作品をシェア

pagetop