ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

エルクが、日本との交流を決めた理由は、それ だけではなかった。

「俺様、未来の言ったことをずっと考えてたん だ。

日本には、独特の集団心理があるとか、個性的 で目立つヤツが変な目で見られるとか。

クロロプラストにはなかった価値観だから、よ く知りたくて、日本について勉強した」

未来と会わずにいた半年間。

エルクは、独自に日本の調査をした。時には、 直に日本の各地を巡り歩いたりもして。

その時、未来からもらった日本の服がとても役 に立った。クロロプラストファッションで出歩 いても良かったのだが、日本人の警察は、怪し すぎる人物に職務質問を行うらしいので、そう なってはスムーズな調査ができない。ゆえに、 日本に馴染む服装で行動した。

「個を認められない、精神的な未熟さ。

日本の集団心理のこわいところはそこにある」

エルクは言った。

「人は、ひとりひとり違って当然で、だからこ そ互いが歩みより、時には適度な距離を取って 、関わり合わなきゃならない。

そんな中で、昔の未来みたいに、個性を弾き出 すような集団は幼いと、俺様は思った。

みんな、それぞれが違うからこそ、人と人のつ ながりには無限の可能性があるんだしな。だか ら…!」
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