ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
エルクはアゴに手をやり、眉間にシワを寄せて 、
「ずっと、質問するタイミングを逃してたんだ けど、結局、ラークリマって何なんだ?
ビーナス…じゃなかった…女性の体で生成され て、アムド家の人間しか手に入れることのでき ない宝だってのは分かる。あと、ジョーが言う には、ラークリマは、純粋な魂の持ち主しか入 手できないんだっけ?
それは分かったけど、一体、いつになったら未 来の体から取り出せるんだ?」
未来もエルクに同調した。
「それは、私も知りたい!
今はたまたま家の中だったからいいけど、予測 できない場所で体が光るのとかやめてほしいん だけど。
外出先とか、電車の中とかさ。
下手したら、テレビ局か週刊誌のネタにされか ねないし」
「そうですね。お二人にはまだ、そのことにつ いてお話できていませんでした。
ラークリマは……。近いうちに、未来様の体内 から出現するだろうと思いますよ」
青乃臣は穏やかな顔で言い、それ以上何も説明 しようとしなかった。彼は、アムド城に戻って からラークリマについて色々調べていたらしい 。
難しい顔をして説明を求める未来とエルクだっ たが、稔とエルシュのフォロー(?)で、話は 逸れた。
「今日は、エルクさんや青乃臣さん、エルシュ さんが日本に来てくれた、めでたい日じゃろう ?
先に、お祝いをしないか?」
稔は仕切り役をかって出た。
青乃臣やエルクの持ち込んだ買い出し品を見て 、なるほど、そのための買い出しだったのか、 と、未来はようやく理解した。