ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
エルクは両腕をかたく組む。
「そんなこと言われても、困る。
ジョー……。お前は、城からラークリマ を持ち逃げした親父以上に、重い罪に問 われるかもしれないぜ?
そもそも俺様は、ソウルメイトの存在な んて信じてない」
「信じる信じないは自由です。
けれども、ラークリマを入手するため に、ソウルメイトの協力は必要不可欠な のですよ。
近い将来、未来様は必ず、エルク様の力 になって下さいます」
「ソウルメイトなんかに頼らなくても、 俺様はラークリマを手に入れてやる!」
普段からエルクの指示に従い、自己主張 などしたことのなかった青乃臣も、今日 ばかりは意見を曲げなかった。
「失礼を承知で申し上げますが、私は、 《ソウルメイト探索禁止法》は、すみや かに無くすべきだと考えています」
執事の意思の強さに、エルクもひるん だ。