ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

青乃臣の説明に、エルクは引き込まれて いく。

「輪廻転生の輪。

そのありかや存在は証明されていません が、人は同じ魂を持続し、肉体を変えて 永遠に生まれ変わり続けると言われてい ます。

前世の魂が現世の肉体に移る…生まれ変 わる瞬間……。

輪廻転生の時に、時空の誤差に巻き込ま れたり、時間軸のねじれによって、魂が 二つに割れてしまうことがある。

現在、そういう現象が起きることはめっ たにないので、ソウルメイトは非常に珍 しい存在なのですよ」

「そうなの!?

俺様は信じてなかったけど、ソウルメイ ト探索禁止法が出来たくらいだし、ソウ ルメイトって誰にでも存在するモンだと 思ってた」

「惑星の位置が安定する前までは、ソウ ルメイトを持つ人も多かったそうです。

でも、宇宙が誕生してだいぶ経ち、惑星 の位置も安定した……。

なので、現代では稀(まれ)ですよ。

ほとんどの人には、ソウルメイトなど存 在しません。

探してみましたが、残念ながら、私にも ソウルメイトはいませんでした。

前世とまったく同じ魂を誰とも分かち合 うことのないまま、この世に誕生してし まったみたいです。


惑星位置の安定により、輪廻転生の際に 魂が割れることも激減したのです」

「未来が、俺様のソウルメイト、 か……」
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