ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
午前中の休み時間。
教室中に、授業終了のチャイムが鳴り響 いた。
窓際の1番後ろ。
未来の席には、数人の女子達が集まって いた。
このクラスでは、日常となっている光 景。
未来は周囲の生徒達から一目置かれてい た。
成績優秀。
スポーツ万能。
容姿端麗。
家は豪邸。
素行にも問題なし。
教師達の間でも「神童」とささやかれて いるほどだ。
未来に憧れるクラスメイトは多く、休み 時間のたび、未来の席には人だかりがで きるのである。
女子だけでなく、男子の間でも、未来の 隠れファンは多い。
「ねえ、未来ちゃん。
中村くんが、未来ちゃんのこと好きらし いよ」
群がる女子の一人が言った。
「未来ちゃんは、好きな人とかいない の?」
中学1年生。
世間的に見て、13歳は子供とされる。
けれども、彼女達は女性の心を持ってい た。
友達と、好きな人の話で盛り上がりた い。
恋愛にも興味があるし、早く大人になり たくて仕方ない。
未知の世界に好奇心旺盛。
そんな年頃。