ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐
未来の言動を思い出し、エルクは言っ た。
「未来は、嫌なことは嫌ってハッキリ言 うじゃん。
今朝、俺様がマグカップ割っちゃった時 も、アイツはめちゃくちゃ怒ってたし。
……それに……友達に好きな男の話とか してたし……。
本音言わないヤツが、そういう話他人に するとは思えねぇけど」
エルクはふてくされている。
青乃臣は柔らかく微笑み、
「未来様のこと、気になって仕方ないの ですね、エルク様」
「そりゃあ、まあ……。
貧血起こしたとはいえ、マグカップ割っ たのは悪かったと思うし」
モゴモゴした口調でうつむくエルク。
「未来様の言動……。エルク様のように タフな方には、理解しづらい感覚かもし れませんね。
でも、未来様に対し、それだけ深く考え られるエルク様なら、これから少しず つ、彼女のことを理解できるのではない でしょうか」
全く知らない未来の一面を見て衝撃を受 けるエルクとは違い、青乃臣は落ち着い ていた。
「お前はホント、いつでも冷静だよ なぁ。
俺様ですら、未来の変わりっぷりには ビックリなのに」
「そうでないと、エルク様の執事なんて 務まりませんから」
「お前、それどういう意味だよっ」
「ふふふ……。
まあ、とにかく、今日学校に来てみて、 未来様のことがだいたい分かりました。
それだけで、大収穫ですよ。
私達にも、彼女の心を開くことができる かもしれません」