ソウルメイト ‐臨時ヴァンパイアの異世界探索‐

倒れてから数時間。

周りに気配を感じさせないほど、エルク は深い眠りの中にいた。


未来はエルクの部屋に足を踏み入れ、ツ カツカとベッド脇に行き、寝ているエル クの顔を見下ろした。

そのまま、おとなしく黙って見ている未 来ではない。

「屋敷の主が見舞いに来てやったんだか ら、起きたらどうなの?」

彼女は、熟睡中のエルクを容赦なく揺さ ぶり起こした。

「未来さまっ!?」

青乃臣は戸惑い、未来を止めるべきかど うか迷ったが、状況的に、今は未来の言 動を優勢させるべきと考え、静観するこ とにした。

“エルク様、すみません。

今はつらくとも、あなたにとって、ここ での出来事は良い経験となります、きっ と……”
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