幕末パノラマ



総司の怒鳴るような声で俺は動きを止める




いや、止めたのは俺だけではない




敵もまた動きを止め、総司との一定距離を保つと俺を凝視していた




「しゅ...ん....?」




声を発して俺の名を読んだのは敵だった




俺の事を知っている?



俺は構えた体制を変えず敵を睨む





「う..そっ...」



戸惑いを隠せない敵


それどころかさっきまでの気迫はどこにもなく隙だらけ



それを総司が見逃すわけがなく、総司の得意とする技、三段突きを相手に撃ち込む




とっさに敵は交わすが全てを交わせるはずもなく、パサリと顔を覆っていた布が地面へと落ちる





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